【UK Laminate LP Tips】

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The Laminate Coated! その2

■ビートルズのレコードスリーブとラミネートコーティング

ここではラミネート加工についてご紹介いたします。

UK盤のLPやEPのレコードスリーブは1970年代末ぐらいまで光沢フィルムで表面加工されていました。
国内盤や米国盤と比較して美しく、これがUK盤の大きな特徴となっています。
ただし、他のヨーロッパ諸国(ドイツ、フランスなど)、またオーストラリアなどのAP地区の一部でも採用されていました)

☆クリックすると拡大画像が表示されます。

"Varius Laminate coated sleeves"
enlarge enlarge enlarge

レコードの話題からちょっと離れて、この光沢フィルムについて調査した結果をまとめてました。
まだわからないことが多いですが、判明したら順次追加していく予定です。(ずっと変わらないかもしれないが)

管理人はこの分野のプロではないので間違いもあるかもしれませんがご了承ください。

■ ラミネートコーティングとは

言葉を整理すると、印刷工程の表面加工処理の1手段で印刷技術の中でもパッケージングの部類に入ります。
"ラミネート"とは"薄い層の状態"を意味することばで素材をあらわすものではありません。
"Laminate coating","Laminate coated"は"薄層上に皮膜された"という意味になりますね。
目的とその効果は汚れ防止、改造/改ざん防止、破損防止、劣化防止、防水などや、

写真の"Lift UP"すなわち見栄えをよくするという意味合いですが
UK盤の美しいスリーブを見ると"彩度を高める効果"が最も重要でポイントになります。


印刷用語では"ラミネート加工""P.P.処理"と呼ばれていて薄い専用のフィルムを印刷物に貼付ける作業のことです
最近では民生用のラミネート機器が手に入り、家庭でも加工できるようになりました。

ラミネート加工のイメージ図と民生用ラミネター



■ 応用範囲

身近なところでは以下のようなものに利用されています。
レコードスリーブ(現在は主にCDのライナー)、ブランド品のパッケージ
飲食店メニュー、ポスター、書籍カバーなど主として高級品に利用されています。
また衣服などにも防水目的の実用面で利用されています。
(形状が崩れるので個人的にはこれはお勧めできない)


レコードスリーブに採用されなくなった理由

レコードスリーブに関しては現在、ラミネート加工されているものはほとんど見かけません。
1970年代末までレコードも高級品扱いだったということもあるのでしょうが、理由として大きいと思っているのは

@ニス塗りコートに比べて製造コストが高くなる。

材料費もコストアップの要因ですが、それ以上に大きいのは
オフセット印刷と同じ装置を使用して加工できないため、装置を変更するなど手間と時間が余分にかかります。
これをオフライン加工と呼んでいてニス塗りのインライン加工と反対の意味で使われています。
ちなみにニス塗りも以前はオフライン加工が主流だったそうです。
特に現在のアナログレコードの1タイトル数百枚から5000枚程度ではペイできそうもありません。

A環境汚染防止規制で扱われなくなった。
現在主流である水性のニス塗りに比べると環境にやさしいのは明らかです。


■ レコードスリーブのラミネート加工方法について

推測の域で申し訳ないですが、レコードスリーブの加工では以下の方法の可能性が高いと思います。

コールドラミネート式加工
ロールに加工する印刷物を通してラミネートフィルムを平面圧着処理する方法で主にポスターなどの
大型の平面印刷物の加工に適しているためレコードスリーブの加工に向いてそうです。
コールド式はUV加工、抗菌処理などにも応用されています。他にホット式と呼ばれるものがありますが印刷物に
フィルムを挟み込んで加熱、圧着するため印刷済みのロールになったレコードスリーブに使用された可能性は低いと思います。
(レコードスリーブが加工前はロールになっていることが前提です)

この記事を書くにあたって調査した結果では、レコードスリーブの一般的なサイズ(31.5cm×31.5cm JIS規格)は
ホット式の装置では対応していないようなので今のところコールド式が有力と考えていますが
専用の装置でホット式で加工していた可能性もあり断言はできません。



業務用ラミネートフィルム
下の写真は業務用のラミネートロールで大体500メートル〜3000メートルまでの製品があります。
フィルムの厚さは
10μから100μ程度が主流だそうです。


印刷物に圧着する工程
レコードスリーブの場合、この時点ではまだ組み立て前の平面であったはず。
そうでないと加工できないですよね。



圧着後の裁断処理
ビートルズのスリーブは折り返し部分のコーティングのかかり具合を見るとスリーブ裁断後に
"打ち抜き"で折り返し部分が加工された可能性が高いと思います。

折り返し加工は
業務用製造装置が変更になった可能性もあります。
国内でも東芝音楽工業が1970年〜1972年頃を境に折り返しスリーブはやめているので製造装置の可能性も高そうです。
実用面を考えると、接合部の強度も表面に露出している以上、折り返し式のほうが弱そうです。



レコードスリーブ、特にビートルズのものは大量生産が必要なのでラミネート加工前のスリーブは
オフセット印刷した上質紙をダンボールの上に接着し、ロールで巻かれた状態で持ち込まれ

@ラミネート加工(製造ラインを変更しいわゆるオフライン加工で実施)
A裁断、打ち抜き加工(折り返しのあわせ部分など)
Bスリーブ接着/組み立て
Cレコード封入

という流れが合理的でしょうか。詳しい方のご教示をいただきたいところです。


※製造時期もメーカーも異なりますがBEE GEESの映画、"Sgt.Pepper's Lonely Herts Club Band"で
このサウンドトラックアルバムの製造工程の一部を垣間見ることができます。
(残念ながらラミネート加工はないがエンボス加工は映像で見れます)
パートの女性たちが組み立て後のレコードスリーブに手作業でレコードをインナースリーブに入れ
レコードスリーブに押し込む光景がなんともほほえましい。


"Sgt.Pepper's Lonely Herts Club Band" 1978 issue



当時の作業風景はこんな感じだったかもしれません。

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